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ロールケーキの端っこ

我が家は毎年、クリスマスにはロールケーキを作ります。

いちごのロールケーキです。
クリームは、カスタードと普通の生クリームを混ぜてつくっていて、
このバランスが絶妙で、おいしい。
配合はひみつです。
ここで、我が家のロールケーキが出来上がる様子を見てみましょう。

まず、スポンジを焼きます。

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クリームを作ります。

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クリームとイチゴをのせて巻きます。

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できました。おいしい!

 

さて、作っていく工程の中で、ロールケーキのスポンジを巻く前に、巻き終わりになる辺を斜めに切り落とします。

(参照)基本のロールケーキ | お菓子づくりのきほん | cuocaクオカ

この切り落としをつまみ食いするのがとっても好きです。
ケストナーの『飛ぶ教室』で、マッツが「お菓子のくず」というのを食べるシーンがあるのですが、この端っこを食べる時はいつも「お菓子のくず」ってこんな感じなのかな、と思います。
(ちなみに「お菓子のくず」は高橋健二さんの訳での言葉です。)

ところで「お菓子のくず」って本当は何なんでしょうね。


エーリヒ・ケストナー作/高橋健二
ケストナー少年文学全集4 『飛ぶ教室

ケストナー少年文学全集 全9冊セット - 岩波書店

クリスマスプレゼントは何にするか

O・ヘンリーの『賢者の贈り物』という物語をご存知ですか。
貧しい夫婦が、互いを想い、クリスマスレゼントを贈るお話です。

ちょうど、去年の今ごろ、私は母へのクリスマスプレゼントに悩んでいました。
母にぴったりなプレゼントを探して、この「ぴったりな」というのが難しいのです。
なかなか決められす、すこし疲れてきた頃に入ったお店のお姉さんが何連かの腕輪をつけているのを見ました。
それを見て、「三、四人のショップ・ガールが集まって、針金細工のの腕輪でちゃらちゃら伴奏を入れながら…」という、『手入れのよいランプ』の一節を思い出しました。
そこからプレゼントがすぐ決まりました。
『手入れのよいランプ』が収録されている短編集に『賢者の贈り物』も入っています。
そこから、髪留めを母に贈ろうと決めました。
髪留めはこのお店で買いました。http://www.colettemalouf.jp/index.php

母は柔らかくて少し栗色の美しい髪を伸ばしているので、きっと似合うだろうなあ、と
想像すると、とても嬉しかった。

 

それで、この話のオチはなにか、というと、

空港まで迎えに来てくれていた母の髪は、短いボブヘアーになっていた、ということです。(一年経ったいまは髪が伸びて、プレゼントを使ってくれていますが)

みなさんは誰かにプレゼントを贈るのでしょうか。
素敵なクリスマスになりますように。


『O・ヘンリ短編集〔二〕』O・ヘンリー/著、大久保康雄/訳
http://www.shinchosha.co.jp/book/207202/

「アルバイト先を探して」

あれは、2年とちょっと前のこと。

大学に通うため上京した私は、アルバイト先を探しながら神保町をぷらぷらと歩いていた。

本があるから、本ばかり見てしまう。
気がつくとアルバイト先をろくに探していないのにもう日が傾いていた。
そういえば東京に来る前に祖母が、神保町の本屋さんは本が日に焼けない向きに建っているのだ、と話してたっけ、なんて考えながら歩いていると、レンガ造りの建物に張り紙が貼ってあるのが目に入った。

「アルバイト募集 おいしいまかない付き」

あっ、ここでバイトしてみよう、と思って、あれよあれよと言う間にバイト先が決まった。


何のお店かと言うと、ビアホールです。
100年以上の歴史があるお店で、いろんな本に登場します。
私が持っている本から紹介すると、東海林さだおの「一人生ビール」というエッセイがあります。
東海林さだおのエッセイは以前から好きだったのですが、アルバイトを始めてからこの文章は少し特別なものになりました。
夕方の少し空いた時間帯のお店の様子、ビールや料理のこと、どれも目に浮かびます。
今は、牡蠣が美味しいんですよ。

 

東海林さだお『どぜうの丸かじり』

http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167177652

花という名前

私は自分の名前がとても好きです。
父が写真家の武田花からとった名前だそうです。
若いころ、父は野中ユリの手伝いをしていて、初めて会った時に『ことばの食卓』をもらったことをきっかけに武田百合子の本を読むようになったという話を聞いたことがあります。
「人から名をもらう」ことにしたのは、父の恩師も人から名をもらったという話を聞いて、なんとなく、いいなあと思ったからだそうです。
さて、そんな風にして私は名づけられたわけですけれど、私が生まれる頃に父と母が読んでいた『富士日記』が私の名付けに影響したようです。
富士日記』の冒頭に武田泰淳が娘に花という名前をつけた時のエピソードが書かれています。

娘が生まれたとき、「花」と武田は名づけてくれて「中国では乞食のこと」と、うふふふ、と笑いながら説明した。

百合子さんはそれを聞いて憮然としたそうだけれど、
「花」は華やかではなく、ちいさい、しかし道端でも根付くような強さを自分の中では連想させられます。
そう思っていたから、武田泰淳が娘を名づける時の話はなんとなく、すっと胸の中に落ちる感覚がします。

 

もう少しお話すると、私が生まれたのは、暦の上では春。

しかし雪の降る日だったそうです。

その話を聞いてふと思うのは、古今和歌集にある清原深養父の歌。

冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ

(まだ冬だっていうのに、空から花が降ってくる。雲の向こうは春なのかな)

明日の東京は雪の予報が出ていますね。

 

富士日記』〈上〉

http://www.chuko.co.jp/bunko/1997/04/202841.html

『ことばの食卓』
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480025463/

何を書いていくのかな

これは、私と本にまつわる記録です。

本棚を眺めると、そこに収まっている一冊一冊がどうやってここにきたのか、

ということを思い出したり、その本に収まっている言葉を思い出したりして、

とても愛おしい気持ちになります。

それを少しでも書き留めることができたら、と思います。